理想的な枕の高さとは何でしょうか?
高すぎたり低すぎたりした場合の対処法と選び方についてお話ししましょう。
枕の高さについての理想は、寝ているときに体の自然な姿勢を保つことができる高さです。
枕は、最も快適な寝姿勢をサポートするために使われます。
快適な寝方は仰向けと横向きで異なるので、当然、枕の高さも違います。
仰向けと横向きの姿勢に応じた理想的な枕の高さを見ていきましょう。
仰向けで寝る場合
仰向けで寝る場合、理想的な枕の高さは、首の一番深いカーブからマットレスまたは布団までの距離に、頭の重さで枕が沈む深さに2cmを追加したものが目安です。
通常、男性は5〜6cm、女性は3〜4cmと言われていますが、体型や姿勢によって異なります。
自分の正確な距離を知るには、実際に測定することがおすすめです。
壁に寄りかからず、自然な姿勢で立って、首の一番深いカーブから壁までの距離を測定します。
このとき、無理に頭を壁に押し付けないように注意しましょう。
枕やマットレスの柔らかさによって沈み方が異なるため、+2cmで快適でない場合は、高さを微調整できる枕を検討してみてください。
また、2人以上で測定できる場合は、寝ている姿勢で測定しましょう。
マットレスでリラックスした状態で測定することが重要です。
アゴが反っていない、息苦しくない、不快な感じがない、快適な姿勢であることを確認しましょう。
横向きで寝る場合
横向きで寝る場合、肩を下にして寝るため、仰向けの姿勢よりも高さが必要です。
一般的な目安は、仰向けの姿勢の枕に3〜5cmを追加することです。
ただし、個人差があるため、頭から背中までの直線的な姿勢を保つ高さを選ぶことが良いでしょう。
横向きで寝る場合の適切な高さを確認するために、通常使用しているマットレスまたは敷布団の上で調整します。
体の下に折りたたんだバスタオルを置き、背骨のラインが直線になるように高さを調整します。
このポジションが理想の高さです。
枕の高さは調整できないため、適切な高さを見つけるためにタオルを使いましょう。
枕が高すぎる場合
高い枕で寝ることが良いと思われがちですが、実際には高すぎる枕は質の良い睡眠を妨げ、肩こりや首の痛みなどを引き起こす原因になることがあります。
高すぎる枕の問題点、その影響、および対処法について見てみましょう。
枕が高すぎる状態
枕が高すぎる状態には、頸椎が圧迫される状態が含まれます。
仰向けに寝ているときにあごが引かれる場合、枕が高すぎる可能性があります。
逆に、あごが上がり、口が開きやすくなる場合は、枕の高さが高すぎる可能性があります。
枕が高すぎることによる3つの弊害
前述の状態により、血行不良が引き起こされ、体全体に影響を与える可能性があります。
高すぎる枕の主な3つの影響は次のとおりです。
- 肩こり、腰痛、首の痛み
- ストレートネックの原因
- いびきの原因
これらを詳しく説明しましょう。
肩こり、腰痛、首の痛み
高すぎる枕で寝ると、長時間にわたりあごが引かれ、頸椎が圧迫され、首の筋肉が緊張しやすくなります。
これにより、血行不良が引き起こり、肩こりや首の痛みなどの不調の原因となる可能性があります。
また、枕が高いと重心が下がり、腰が沈みやすくなるため、腰痛にも気を付ける必要があります。
ストレートネックの原因
高すぎる枕は、頸椎が長時間圧迫される可能性があるため、首が不自然な形状になりやすくなります。
不自然な形状が続くと、首筋のSカーブが直線状に変わり、ストレートネックの原因となる可能性があります。
ストレートネックの症状がある人は、高すぎる枕が原因の一つかもしれません。
いびきの原因
高すぎる枕で寝ると、あごが引かれ、気道が圧迫されるため、呼吸の流れがスムーズでなくなり、いびきが発生しやすくなります。
いびきをかいていると、十分な酸素が取り込まれないため、朝になって疲労感が残る可能性があります。
枕が高すぎるときの2つの対処法
- 枕の中身を取り出して高さを調整する
枕の中に詰まっている材料(綿、ビーズなど)を少しずつ取り出すことで、枕の高さを調整できます。
少しずつ取り出しながら、自分に適した高さを見つけて調整しましょう。
取り出した材料は、将来的に枕がへたったときに補充するために保存しておくと便利です。
- 体の下にタオルを敷いて高さを調整する
現在の枕を変えることができない場合や、ホテルや旅館の枕が高すぎる場合には、体の下にタオルを敷く方法を試してみてください。
タオルを使って体を持ち上げて、適切な高さを調整します。
マットレスと首の下のすき間を埋めるようにタオルを敷くことが重要です。
枕が低すぎる場合
枕が低すぎる状態も問題を引き起こす可能性があり、体に負担をかけることがあります。
低すぎる枕の状態、その弊害、および対処法について見てみましょう。
枕が低すぎる状態
枕が低すぎる状態は、仰向けに寝たときに首が後ろに反り、あごが上がる状態を指します。
この状態では、口が開きやすくなり、口呼吸が増加する可能性があります。
また、頭が心臓よりも低い位置にある状態も、低すぎる枕の目安です。
枕が低すぎることによる2つの弊害
- 頭痛の可能性
頭が下がった状態は、頸部が圧迫され、交感神経が優位になりやすくなります。
交感神経の優位性は、血管収縮を引き起こし、脳への血液供給が悪化するため
頭痛の原因となります。
- うっ血やむくみの可能性
低すぎる枕で寝ると、脳に血液がたまりやすくなります。
頭に血液が溜まる状態は、うっ血やむくみの原因になる可能性があります。
顔が朝起きたときに腫れていると感じる人は、枕が低すぎる可能性も考慮すべきです。
枕が低いときの対処法
頭痛やうっ血、むくみに悩んでいる場合は、枕の下にタオルを敷いて高さを調整する方法を試してみてください。
前述の通り、S字カーブからマットレスまたは布団までの距離に+2cmを追加することが目安です。
横向きで寝ることが多い場合は、+4cmを目安に調整すると良いでしょう。
まとめ
枕の高さが大切で、高すぎる枕は腰痛やストレートネックの原因となり、いびきも引き起こす可能性があります。
高さの調整方法として、枕の中身を調整するか、体の下にタオルを敷く方法があります。
逆に、低すぎる枕は頭痛やうっ血、むくみを引き起こす可能性があります。
適切な高さの調整は、快適な睡眠のために重要です。
硬さや触感も考慮し、個人の好みと体に合った枕を選ぶことが大切です。
枕の高さが体の健康と睡眠の質に大きな影響を及ぼすことを理解し、適切な調整を行いましょう。